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公益社団法人 千葉県看護協会

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令和6年度 重点事業

重点事業の概要

わが国では、少子超高齢社会の人口及び疾病構造を見据えた社会保障制度改革、特に地域包括ケアシステムの構築、医師の働き方改革などの医療提供体制の再構築に向けた取り組みや、少子化対策・子ども政策の強化、女性・高齢者の労働参加が進められている。

さらに、団塊ジュニアが高齢者となる一方で支える人口が減少するなどの様々な社会情勢の大きな変化が見込まれる2040年に向け、一層の制度や体制の整備が求められ、第8次医療計画にも反映されるように取り組みの検討が進められてきた。

このような状況の中、全国的な課題である看護職不足は継続しており、令和5年10月には「看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針」が30年ぶりに初めて改正され、量的確保と資質向上を図りながら看護職の確保を推進する方向性が示された。

本県においても2025年には約8,800人の看護職不足が推計されており、看護職の定着・確保対策は重要課題である。病院や訪問看護ステーションに勤務する看護職の離職率は高止まりの傾向にあり、労働環境・処遇改善など働き続けられる環境づくりの推進がますます重要になっている。

さらに、県民の健康上のニーズの増大や、デジタル改革等の社会の変化に対応し、看護職が役割を発揮するためには、新たな知識や技術を学び直すため看護職自身が生涯学習に主体的に取組み、自らキャリア形成に努めること、職能団体や所属する組織には生涯学習を支援する役割が求められている。

また、少子超高齢社会に向けて、医療は病院完結型から地域完結型への移行が加速し、増加する医療依存度の高い在宅療養者や障がい者への支援、社会を支える次世代の子どもたちの健全な育成が求められている。このため、出生前から人生の最終段階に至る全世代を対象に、施設や地域等あらゆる場所で健康の保持増進から看取りまでを専門職や地域住民、自治体等が協働して支える共生社会のしくみである「全世代を対象とした地域包括ケアシステム」の構築・推進が必要である。そのため、在宅医療を支える人材育成、関係機関・団体との連携体制の構築、看―看連携や多職種とのネットワークづくり(地域連携)、訪問看護への総合的な支援等地域の実情に応じて看護の視点で健康に関する地域課題を共有し、生活の場である地域において切れ目のないケア提供ができるよう進めていく必要がある。加えて、近年の広範囲にわたる災害や新興感染症など県民の生命と生活を脅かす健康危機に対応する体制強化も重要である。

医療政策の分野では、地方分権の推進により、看護職に関わる政策・事業の多くが国から地方に移行している。看護職の機能と役割を十分に発揮するため、今後は一層千葉県、市町村と連携した政策策定への参画と看護政策の推進が重要となる。職能団体として、看護職に関わる様々な課題の解決を進め、地域の各実践の場において、看護職が的確に役割を果たすためには、医療・看護に係る政策の推進役となる本協会が、戦略的・継続的に看護政策を推進する力をつけていくことが必要となっている。そのためには、入会促進活動の推進により会員増を図るとともに、職能間の連携強化が重要である。

以上により、令和6年度本協会は、社会の動向を見据え、看護職が果たすべき役割を見極めながら、看護の専門性を発揮し、県民の健康な生活を支えるべく、令和5年度に取り組んできた5つの重点事業を充実し、「地域における看護職の定着・確保の推進」「質の高い看護の提供体制の構築・推進」「全世代の健康を支える看護提供体制の構築・推進」「地域における健康危機管理体制の強化」「組織基盤の強化」とし、地域において全世代の健康を支える取組みを継続的に進めることとして、事業を展開していく。

1 地域における看護職の定着・確保の推進

1-1 第5次看護職定着・確保の推進

1-2 ヘルシーワークプレイスの推進

1-3 ナースセンター事業の推進

1-4 看護職の魅力の発信による次世代を担う人材の確保

2 質の高い看護の提供体制の構築・推進

2-1 生涯学習支援

2-2 看護研究学会の開催

2-3 認定看護師・専門看護師・認定看護管理者の活動推進に向けた啓発

2-4 特定行為研修制度の普及・活用

2-5 中小規模病院看護管理者の育成

2-6 医療安全対策の推進

3 全世代の健康を支える看護提供体制の構築・推進

3-1 全世代を対象とした地域包括ケアシステムの構築・推進

3-2 訪問看護・看多機の推進

3-3 地域包括ケアを実現するための人材確保(保健師・助産師・訪問看護師等)

4 地域における健康危機管理体制の強化

4-1 大規模災害発生時の対応体制の強化

4-2 新興感染症等パンデミックへの対応体制の強化

4-3 協会における事業継続計画(BCP)の策定

5 組織基盤の強化

5-1 会員の定着・確保・拡大

5-2 看護政策推進力の強化